CD-BOX「禅者のことば 鈴木大拙講演選集(全6枚組揃)」
出版社: アートデイズ (2003/11/20)
言語: 日本語
商品の説明
大拙が肉声で語った仏教の全て。
「世界の禅者」鈴木大拙が生涯をかけて論究した禅思想から浄土思想までを、東西にわたる広い視野と深い宗教的体験に基づいて縦横に語り尽くす。
90歳近くまで欧米で活動を続けてきた大拙が最晩年の6年間(1960年~66年)に日本で行った講演を集めた貴重な音の記録。解説書付き。
第1巻 東洋の母なる思想 56分(昭和35年)
「分別」を重んじ、厳しく罪を罰する西洋的な父的社会に対し、東洋には、老子の「無為」の思想に見られるように善悪を超越し、絶対的な母の愛を尊ぶ社会がある。東洋思想の根底にある母的なものを西洋思想との対比によって鮮やかに浮き彫りにし、ゆるやかで人間性に満ちた生活を説いた大拙の真骨頂ともいえる講演。
第2巻 禅の考え方ー頌寿記念講演 65分(昭和35年)
禅宗の考え方の基本に対立する概念を一体としてとらえる考え方がある。苦の中に楽があり、楽の中に苦があるという。自由の中に不自由があり、不自由の中に自由があるという。その考え方を進めてゆくと「煩悩即菩提」という大乗仏教の究極に到達する。すなわち、煩悩と悟りは一体であるという。そして晩年の大拙は、次第に禅宗の考え方を浄土真宗の考え方に近づけようとする傾向が生まれてゆく。
第3巻 念仏とは何か 40分(昭和39年)
念仏とは、南無阿弥陀仏と念ずることではない。仏そのもの、南無阿弥陀仏そのものになることだ、と大拙はいう。浄土門においては、「機法一体」という教えがある。衆生が阿弥陀仏を信ずる気持を「機」といい、阿弥陀仏が衆生を救う力を「法」というが、その二つが一体になることをいう。この言葉が浄土門の教義の重要な言葉になった。大拙が浄土宗、浄土真宗の教えの核心を説いた講演。
第4巻 キリスト教と仏教 55分(昭和39年)
大拙は、キリスト教は「父」の宗教であり、仏教は「母」の宗教であるという。キリスト教では「罪」といい、罪を罰する、罪を蹟うという言葉があるが、仏教ではその概念がなく、仏の「慈悲」の心で許されてしまう。そこにキリスト教の厳しさ、仏教の優しさが表れている。長く欧米で活躍した大拙ならではのキリスト教と仏教の比較宗教論。
第5巻 妙好人 40分(昭和40年)
妙好人とは、浄土真宗の門人が理想とする篤信者のこと。明治から昭和の初期にかけて、浅原才市という妙好人が島根の小浜にいた。船大工をしていたが、仕事の傍ら、カンナくずなどに浄土真宗の領解を書き続け、後にノートに書くようになって数十冊のノートが残った。その浅原才市の生涯をたどりながら浄土真宗の信仰のあり方を語る。
第6巻 対談=鈴木大拙・金子大栄 「浄土信仰をめぐって」 55分(昭和40年))
真宗大谷派の近代教学を築いたといわれている浄土真宗を代表する僧侶、金子大栄師と禅学を代表する大拙との対談。話は浄土信仰をめぐり「弥陀の本願」について、「機根」について、「在家仏教」のことなど、多岐にわたって興味深い遣り取りが続く。
■解説書
■講演解説:上田閑照
■鈴木大拙という存在:寺島実郎
■松ヶ丘文庫の建った前後:古田紹欽
■用語解説・年譜