レコード好きの人間なら圧倒され、ため息が出ることは間違いなし。レコードにはあまり関心のない方でも、日本盤の特徴である「帯」を見ているだけで楽しめると思います。それにしても著者の方には頭が下がります。初めて目にする「帯」の数々。よくぞここまでまとめられました。一読の価値有りです。

著者の菅田さんは広島で「ジス・ボーイ」という
ネットオークション中心の中古レコード屋を営んで
おられる方で、あの浜田省吾さんの古い友人でもあります。

もともとはお米屋さんで、途中からレコードを
扱うようになったため、最初は苦労も多く、
そのへんの、コレクターにダマされたり
レアものを入手できなくてほぞを
噛んだりのエピソードも面白い本です。

ただ、ご本人に直接お聞きしたところによると、
ネットオークションの流行で、特にシングル盤は
値崩れを起こしていて、この本を書いた時の値段
では、現在は扱えないものが増えてしまったそうです。

私はミッキー吉野さんのゴダイゴ以前のバンド、
サンライズのシングル盤をたまたま見つけ、
菅田さんに査定して買ってもらったところ、
ふつうマニア屋は難癖つけてレア盤でも
安く査定するのに、本に載ってるレベルの
値段で買ってもらえました。

色々ヒドイ目にご自分も会われたうえ、
元々のお人柄もきっちりとされているみたいです。

ですからこの本の文章にも、マニアにありがちな
嫌味な視点がまるきり感じられません。

黒沢進さんの本とともに、資料としても
一級の価値がある内容だと思います！！

ここまでよく集めたというか、本当に貴重なものばかりで見ていて飽きないです。この本にも帯が掛けられているところが憎いですね。