正面の５ｃｍフルレンジはヤマハ製。コーン紙が紙製、センターキャップも紙製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネット部は径５３ｍｍ厚さ２３ｍｍの防磁型、インピーダンス１５Ω、最大入力は不明です。

左右後ろ寄り５ｃｍフルレンジはビクター製。コーン紙が紙製、センターキャップは樹脂製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネットは径５２ｍｍ厚さ３０ｍｍの防磁型、インピーダンス２Ω、最大入力はやはり不明です。

左右前寄りの５ｃｍフルレンジはメーカー不詳。コーン紙が紙製、センターキャップは樹脂製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネットは径４２ｍｍ厚さ２０ｍｍの防磁型、インピーダンス４Ω、最大入力は１０Wです。

天辺の２５ｍｍソフトドーム・ツィーターがヤマハ製。ダイヤフラムは布製、マグネット部は径７２ｍｍ高さ３０ｍｍの防磁型、インピーダンス６Ω、最大入力は不明です。７．８μFを挟んでクロスオーバー周波数は２．４ｋＨｚです。

背面の８ｃｍフルレンジはソニー製。コーン紙が紙製、センターキャップも紙製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネット部は径６２ｍｍ厚さ２６ｍｍの防磁型、インピーダンス６Ω。最大入力は不明です。

スタンド替わりのダクトを通じて繋がっている下部のシステムは、ヤマハのスーパーウーファーNＳ‐ＷＳＷ４２０を、アンプ部を取り外してそのまま使いました。１６ｃｍウーファーは、コーン紙は紙製、凹状センターキャップも紙製、エッジはゴム製ですが劣化の兆候はありません。マグネットは径８０ｍｍ厚さ１７ｍｍのフェライト・マグネット、インピーダンスは６Ω、最大入力は不明です。ダクトと上部、下部は、取り外し出来るので、発送時には外して梱包します。

左右の５ｃｍはシリーズ接続、上部中央部の２個のフルレンジもシリーズ接続し、それと下部のウーファーをパラレル接続してあります。センターウーファー出力が可能な方は、単独で使えるよう接続は外付けターミナルにしました。 

試聴では、ペダルトーンで埋め尽くされているJ.S.バッハのペダル練習曲BWV５９８（手持のテストＣＤ；トン・コープマン：１７３４年製ミュラー・オルガン；アムステルダム；最低音３６Hz）を、見事なバランスで鳴らしました。この曲は勿論足鍵盤の練習用でもありますが、当時最高のオルガン・コンサルタントでもあったバッハが、すべてのパイプがちゃんと鳴っているかどうかのチェックをするための曲でもあり、スピーカーにとっては、低域に変なピークやディップがないかどうかのテストとしても使える便利な曲です。もちろん変なピークやディップはありません。

本格的試聴では、J.S.バッハの前奏曲とフーガハ短調BWV５４６（手持の最強テストＣＤ；トン・コープマン：ミュラー製作オルガン１７３４；最低音３２Hz）の最初のＣのロングトーンを、そこそこの大音量でもしっかり鳴らしましたが、５ｃｍクラスが中止なので、この曲は不向きです。

本領発揮はやはりオーケストラ！無指向性の音場の広がりは見事で、眼を閉じれば左右にスピーカーが有る様に錯覚します。フルトヴェングラーやクレメンス・クラウス等、’５０年代のモノラル録音では、特に威力を発揮します。

長岡氏の注意書きに、サンスイの１０万円クラスの中級アンプや、超高級アンプなどにある『バランス式』と呼ばれるアンプには使えないようです。アンプに被害が及ぶと言われています。

 外観は、接合部分があまりキレイではありませんか、遠目には概ねキレイです。サランネットにホールがあります。 重さ８．４ｋｇ、サイズは８９×３３×２０ｃｍです。