「釋迢空　詩の発生と〈折口学〉」 ◆藤井貞和（講談社学術文庫）

藤井貞和著、「釋迢空　詩の発生と 〈折口学〉 ― 私領域からの接近」（講談社学術文庫）です。定価738円（税別）。状態は、全般にかなり良好です。送料は、クリックポストで185円です（※厚さ2cm以下の文庫本は、合計１㎏を超えない範囲で計4冊程度まで同梱可能です）。　

★内容：　日本古典学と民俗学の第一人者・折口信夫は、釋迢空（しゃくちょうくう）の名で知られる歌人でもあった。本書は、「海やまのあひだ」、「古代感愛集」、「倭（やまと）をぐな」等の代表的歌集を読み解くことによって、釋迢空の詩魂の苦悩と求道の道程をたどり、学問と詩を融合した巨大な折口学の核心に迫らんとする。日本文学の中心に詩を回復させることをめざした〈近代批評の真の批判者〉をしての釋迢空・折口信夫の全体像を明示した野心作。

　I　自然と鎮魂のフォークロア
　　　1　五月雨（さみだれ）に打たれて
　　　2　孤独と自然
　　　3　流離を飼う
　　　4　まつりこし
　　　5　近代の眠りと〈折口学〉
　　　6　信仰喪失の喪失
　　　7　復活について
　II　詩の発生、その他
　　・美しい次代の俤（おもかげ）――釋迢空と詩の発生
　　・折口詩と「もの」の声
　　・詩語の研究・批評の成立――釋迢空の詩論
　　・うたの発生・一面――〈折口学〉をめぐり
　　・国学か信仰か文学か――折口信夫の晩年まで
　III　詩創造の源泉をめぐって――短歌の批判
　　　1　文体と思想
　　　2　形式と文体
　　　3　詩の不在と回生
　　　4　文学のつよさともろさ

★著者、藤井貞和は1942年、東京生まれ。詩人、国文学者。東京大学文学部卒業。文学博士。専門は古代文学・中古文学・物語文学。東京学芸大学教授、東京大学教授（のち名誉教授）、立正大学教授などを歴任。研究書・評論に『源氏物語の始原と現在』、『源氏物語論』（角川源義賞）、『物語文学成立史』、『物語の起源』、『タブーと結婚』、『日本語と時間』、『文法的詩学』、『文法的詩学その動態』、『日本文学源流史』など多数。詩人としては、『ことばのつえ、ことばのつえ』（藤村記念歴程賞／高見順賞）、『神の子犬』（現代詩花椿賞／現代詩人賞）、『甦る詩学』（伊波普猷賞）、『言葉と戦争』（日本詩人クラブ詩界賞）、『春楡の木』（鮎川信夫賞／芸術選奨文部科学大臣賞）などがある。

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