蘭学関連超絶稀覯本★ケンペル生前唯一の著作『廻国奇観』1712年刊初版/鎖国論初出/椿/茶/鍼灸/奇跡の完本

◆商品名◆

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◆商品説明◆
ケンペル
『廻国奇観』
レムゴー；Typis & impensis Henrici Wilhelmi Meyeri、1712年刊初版

ケンペルが生前に刊行できた唯一の著作です。生地レムゴーで印刷出版されました。全五部構成で、第５部では椿をはじめとする日本の植物が豊富な図版とともに解説されています。茶や鍼灸、和紙製造法についても精密な図版入りで紹介されています。また、没後出版の『日本誌』に再録され、日本国内でも広く読まれた「鎖国論」の初出本としても知られています。『日本誌』よりも希少です！！！

口絵＋折込図版16点＋1ページ大図版63点＋テキスト内挿図11点所収。ノンブルの誤植がありますが、奇跡の完本です！

全文はこちらで公開されています。
https://www.biodiversitylibrary.org/bibliography/147012

装丁は近年改装された総革装。外装の状態に瑕疵はありません。本文の状態は口絵と巻末５葉に虫損。17~18世紀初頭の本特有の変色が全体にあります。紙質によるものと思われます。余白に破れが５箇所程度。折込図版１点の折り目に10cm程度の破れ。古い時代の線引が一箇所ほど。

本書『廻国奇観』はケンペル存命中に刊行された唯一の著作（ラテン語）。ペルシャを主とするアジア諸国の博物学的記述で、第5編が日本植物誌となっているほか、漢方、鍼灸等についても記されている。『鎖国論』（『異人恐怖伝』参照）の元となった論文も掲載。（国会図書館HP「江戸時代の日蘭交流」より転載）

ケンペルの貢献は、何と言ってもアジア各地の滞在先での見聞をまとめた本書『廻国奇観』（Amoenitatum Exoticarum Politico-physico-medicarum, 1712）を著述したことである。その第5巻は、ほとんど日本の植物のみに費やされていて、324種の植物について記述されている。わが国の江戸時代を代表する優れた本草学者に貝原益軒(1630-1714)がいて『大和本草』(1708)を著している。ケンペルと益軒の記述を比較すると、益軒は興味の中心が植物自体の記述のみではなくその植物をどのようにして人間が利用するかという点にある一方、ケンペルは植物の記述が極めて詳細なものであり、本書に記載の植物の図は大変正確であった。リンネは、後にこれを基にして『植物の種』（Species Plantarum, 1753）に日本の植物を世界に紹介している。
　現在、植物の命名法は、リンネの『植物の種』（1753）を基準としている。ケンペルの著作は1712年でリンネの『植物の種』以前のものであるが、ケンペルの業績は高く評価されている。ケンペル没後、多くの資料は大英博物館の所蔵するところとなり、現在一部は大英博物館から分かれたロンドン自然史博物館に保管されている。ケンペルの名前を記念して種小名として用いられている代表的な樹木の一つにカラマツLarix kaempferiがある。 （東京大学農学部創立125周年記念農学部図書館展示企画より転載）

『廻国奇観』はケンペルの生前に刊行された唯一の著書。ペルシャに関する報告に始まり、日本の植物の記述に至る五部から構成され、製紙技術や茶についても詳しい紹介を含んでいます。また、椿の図譜はこの植物を初めて西洋に知らせたものでもあります。本書はリッペ伯フリードリヒ・アドルフに献呈されており、タイトル真裏面にその銅版肖像が刷られているものがごく稀れに見受けられます。（放送大学付属図書館HPより転載）

日本・長崎に至り二年間滞在の後、喜望峰回りで帰国。オランダ・ライデン大学で博士の学位を取得し、一六九四年、ようやく故郷レムゴに戻ったケンペル。帰郷後、旅の途次手に入れた蒐集品や作成した動植物標本、自分で書き記した地図、メモ等をまとめる作業に取りかかり、博士論文概要を含め、一八年かけて『廻国奇観』を完成させた。『廻国奇観』はラテン語、四つ折り版全五巻九一二頁に及ぶ。ペルシャのことが大部分を占めるが、インド、セイロン等のアジア諸国、動植物や風土病についての報告がある。・・・

二〇年近くも歳月を要した原因はレムゴのマイヤー書店では証拠となるスケッチの銅版画をうまく製作できず、当時印刷技術に優れたオランダの出版者へ依頼するなど、編集作業に手間取ったためである。結局フランスに生まれ、大陸の情報集積地であったオランダに活動の場をもったマロ（一六六三 - 一七五二）が構図を描き、ゴーレ（一六六〇 - 一七三七）が彫金を施すことで完成を見た。発刊までに多くの年月を要したのは、レムゴという小さな町での編纂作業や学術書的に精選されたラテン語による執筆の追究、ラテン語活字の校正に必要以上の時間がかかったためである。・・・

『廻国奇観』の第一巻と第二巻の大部分、それに第三巻の四分の一、第四巻の全てがペルシャにあてられている。第五巻は日本の植物誌である。その他六一篇の研究論文があり、そのうち五篇は日本について、六篇がインドについてである。特に日本については、天文図から動植物に至る一三四〇種の和漢名が記された中村惕斎の『訓蒙図彙』（一六六六 ‐ 一六八六）が大いに役に立った。植物については五四五頁、八六三種が名前とともにスケッチされている。その文様の滑らかさ、粗さ、綿毛のような柔らかさ、しなやかさが見事に描かれている。 （渡邉直樹「ケンペルの「日本」の数奇な成り立ち」、『宇都宮大学国際学部研究論集』2016, 第42号, p.71−87）

ケンペル
没年：1716.11.2(1716.11.2)
生年：1651.9.16
江戸前期に来日したドイツ人旅行家,博物学者。レムゴーに牧師の子として生まれ,クラカウ,ケーニヒスベルク,ウプサラで博物学,医学などを修める。スウェーデン使節団に加わり,ロシア,ペルシャ各地を回ったが,ウプサラに戻って安定した地位を得るよりも「好奇心という病に突き動かされて」旅をする道を選び,オランダ東インド会社に就職。バタビア,シャムを経て元禄3(1690)年秋,長崎出島商館付医師として日本に到着した。滞日中は助手を使って精力的に日本研究,資料収集に励み,同5年に離日。翌々年モグサの研究などでライデン大学から学位を受け,故郷レムゴーに戻って結婚した。 私生活には恵まれず,生前はラテン語の『廻国奇観』を刊行したのみで,日本関係の遺稿は1727年に至って英訳本がまず刊行された。この『日本誌』は日本の社会,政治,宗教,動植物などを,自身のスケッチも交えて柔軟な眼で総合的に記述した画期的な著作で,例えば日本人との交渉の潤滑油として「袖の下」がいかに有効かといったことも,皮肉っぽく指摘している。仏訳,蘭訳次いでドイツ語原本も刊行され,その後のヨーロッパの日本観に決定的な影響をおよぼした。ヴォルテール,カントら同書を読んだ哲学者,文学者は数多い。志筑忠雄の『鎖国論』は,同書付録を訳出(1801)したもの。ケンペルが2度経験した江戸参府の紀行文も,各地の自然,風俗を鋭く観察し,日本人,日本社会を客観的かつユーモアたっぷりに描写して秀逸である。その日本コレクションは,のちに大英博物館創設時の基礎を成した。 （朝日日本歴史人物事典「ケンペル」の解説）


本のサイズは写真では把握しずらいので、一緒に写している蛍光ペンとの比較においてご判断くださいませ。

当方が出品しております革装本はすべて、内外の図書館で採用されている処方（Brecknel Turner Saddle Soap、Klucel G、Talas Leather Dressing、SC6000等）でメンテナンスされておりますので、特別なお手入れなしでもしばらくご入手時の状態をお楽しみいただけます。




書名：Amoenitatum exoticarum politico-physico-medicarum fasciculi V
著者：Engelbert Kaempfer
出版社：Lemgoviae, Typis & impensis Henrici Wilhelmi Meyeri
出版年：1712
言語：ラテン語
ページ数：[18], 912, 32p.
サイズ：23.3x19x7cm
状態：商品説明を御覧ください

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◆コメント◆
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