御存知！名手G.E.Smith/Jerry Marotta/John Siegler等参加 Daryl Hall & John Oates 隠れ傑作「X-STATIC」 日本独自リマスター紙ジャケット仕様限定盤
未開封新品でございます。
日本独自のK2 24BIT MASTERING方式でのリマスターでございますが、アナログ的な音質でオリジナルに即しており非常に良心的でございます。
但し、幾分パンチのある音質でございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Daryl Hall(Vo、Key、G、Vibraphone)、John Oates(Vo、G)、Charlie DeChant(Sax)、John Siegler(B、ex-Todd Rundgren's Utopia)/
Neil Jason(The Brecker Brothers、John Tropea他)/Kenny Passarelli(B)、
G.E.Smith(G)/御存知！Jay Graydon(当時Airplay)/Steve Love/Werner Frintzschling(G)、
Jerry Marotta(Ds、Steely Dan、後にPeter Gabriel Band、David Sylvian/Robert Fripp、Tony Levin Band他)/
Yogi Horton(Ds、Aretha Franklin、Luther Vandross、Ashford & Simpson他)、
Larry Fast(Peter Gabriel Band、Sinergy)/Steve Porcaro(Toto)/David Foster(Key)、Ralph Schuckett(Organ、ex-Todd Rundgren's Utopia他)、
Jimmy Maelen(Per)となります。
プロデューサーは前作に引き続き、David Foster(当時Airplay。George Harrison周辺に登場し制作に参加、またEarth,Wind & Fireの傑作”I Am”を手掛け、大ヒット。後にChicagoの再生に貢献)となります。
ミックスは、David Fosterと長く関わりを持つ事となるHumberto Gaticaとなります。
チャートアクション/セールス共に以前を下回り評価が低いものの、ヒット作(全米チャート３３位ですし......)と言えるもの。
下積時代の隠れ傑作と言われかの大ヒット且つ代表曲を含み、それ以外も非常にクオリティーが高くメロディアス重視でポピュラー感があるもの。
されど、内容は結構異色感と通好みな感がございます。
Daryl Hallの歌や彼らの音楽性に影響を与えた(仕込んだ)かのTodd Rundgrenのオマージュ的なものが感じられますが、
音造り含め当時のニュー・ウェイヴ/テクノ感が強いもの。
David Fosterが手掛ける以前のソウル・ミュージック感が強いスタジオ作の反動もあってか？、ロック色が強く出た感がございます。
１９７４年グルジェフ神秘学の自己啓発セミナーでかのRobert Fripp(King Crimson)と意気投合、一曲参加依頼し、
その後１９７７年に”Hall/Fripp”としてコラボ・作品制作したもののレコード会社が恐れをなして当時お蔵入りにしたDaryl Hallの1st”Sacred Songs”。
それに繋がるアート・ポップ楽曲もございます。
されど、ディジタル臭さやケバケバしさを感じさせる音造りで作り物的な感覚が感じられ、
シンセ等音を詰め込み過ぎた事やソウル・ミュージックやR&B的な温かみが弱い感があり、
そこからDavid Fosterと袂を分かつ事になる事が判るものでもございます.....................
また、ソウル・ミュージック的なプロデュースだったChristopher Bondと袂を分かち、
ロック的な制作を求めて同じミュージシャンのDavid Fosterにプロデュースを託し、
理想とする「Rock'n'Soul」路線を指向するもセールスは以前より伸び悩んでおり、レコード会社からの圧力が高まっていた感がございます。
「売れるものを！」との圧力の中で、音楽性の有り方で試行錯誤していた感がございます。
(当時の”The Police”的な楽曲やテクノ/ディスコ的なものも...............................)
ポピュラーでメロディアス重視とは言えど、
David Fosterはクラッシック系のメロディアス重視で大仰な感覚の強い音楽性を得意とするプロデューサーでございます。
そして、ポピュラーとは言えど(日本で言う)A.O.R.系の洗練されたメロディ感覚を重視。
されど、Daryl Hall & John Oatesは「Rock'n'Soul」というロック音楽とソウル・ミュージックの融合を理想とするミュージシャン。
ポピュラーとは言えどブラック・ミュージック系を基とする温かみのあるメロディアス重視。
以前の制作ではソウル・ミュージック的なアプローチ、ライヴではロック音楽というギャップに悩み、
同じミュージシャンでもあるDavid Fosterを前作からプロデュースに起用してきたものの、
音楽に対するアプローチが結構異なる事をDaryl Hall /John Oatesは強く感じていた感がございます。
以前のプロデュース委託作から多くを学んだDaryl Hall & John Oates。
自らのコントロールで自らの音楽を制作すべきとの結論に至った感がございます................................
かのEaglesの”New Kids in Town”の題材として取り上げられた二人ではございます。
文化的な刺激を求めて故郷ニューヨークに音楽的拠点を本格的に戻す事を決意する事となります.........................
(嘗てのBilly Joelと似た感が..............)
今作にて、繋ぎの名手”G.E.Smith”が制作初参加がミソ。
Charlie DeChantと全盛期の中核を成す人物の登場から、成功への階段を上がっていく切っ掛けとなった感がございます。
(但し、バック・バンド参加は後の話.............................)
次作からエンジニアとしてイギリス出身の”Neil Kernon”を起用致します(後に共同プロデューサー起用)。
Judas Priest”Priest in the east”、後にDokken、Queensrycheの大傑作”Rage for Order”等、
またDream Theater関連のハードフュージョン系名ギタリストScott Mcgillを手掛ける事でHR/HMファンに良く知られますが、
Brian Auger's Oblivion Express、Patrick Moraz、Brand X等々というクロスオーヴァー系やプログレ系をも制作で手掛けた事でも知られる方でございます。
HR/HM、そして様々なスタイルであってもメロディアスさと良い意味でポピュラーさを強調する感のある方でございます。
エンジニア出身で様々な分野の音楽性に関わった実績・経験、
クロスオーヴァー感覚を持ち大仰さを基としない事が長年の起用に繋がった感がございます............................
(Peter Gabriel絡みという事もあり、Jerry Marotta/Larry Fast推薦での起用となった感がございます..............................)
ボーナス楽曲は二曲。
”Time's Up(Alone Tonight)”はHall/Foster作曲という珍しいもの。
ニュー・ウェイヴ色の濃い今作とは異とする楽曲で今作本編から外されたものの感がございます。
但し、(異なるとは言えど)ポピュラー/メロディアス重視の両名の持ち味が上手く融合した感があり、
また音の詰め込み過ぎが気になる今作制作では音の隙間が感じられるもの。
質が高いもので今作に収録されていれば.................との感がございます(.....................されど、作品に居場所が無い感も...........................)
大成功する次作の音楽性に繋がる感がございます...............................................
”No Brain No Pain”はDaryl Hallによるプロデュース(但し、本編の”Number One”と似た音質ではございますが..............)。
シングル及び１２インチ”Wait for Me”のB面に収録された楽曲で、正直デモ感のあるもの。
今作制作前に試験録音として制作された感がございますが、今作以上に当時のニュー・ウェイヴ感が濃い音楽性で、正直パンク感が強い音楽性。
Daryl Hall & John Oatesとしては相当な異色な感があり、David Fosterとの選曲段階で「これはマズかろう......」と外された感がございます。
お蔵入りにするには惜しい、シングルB面なら許されるだろう.........と収録された感がございます。
意欲作ではございますが、今作での音楽性を巡る迷いが伺えるものでもございます................................
現在は入手が非常に困難。この機会に是非。
注：発送方法は変更になる場合がございます。宜しくお願い致します。
