日本独自リマスターでございますが、日本特有の高音系中心のリマスターの感がございますが、オリジナルの内容に即したもので非常に良心的なものでございます。
また、紙ジャケットは日本リリース時の厚紙仕様のものを再現した模様でございます。
内容は言わずもがな。ラインナップは伝説の”三頭政治”時代 第三期。
Ritchie Blackmore(G&B、ex-Deep Purple)、故名手Cozy Powell(Ds、ex-The Sorcerers、Ace Kefford Stand、Big Birtha、第二期Jeff Beck Group、Bedlam、Cozy Powell's Hammer、後にM.S.G、Whitesnake、Emerson,Lake & Powell、
Black Sabbath他)、故Ronnie James Dio(Vo、ex-Elf、後にBlack Sabbath、Dio)、名手Bob Daisley(B”三曲のみ”、ex-Widowmaker、Chicken Shack、後にOzzy Osbourne、Uriah Heep、Gary Moore他)、
プログレ系名手David Stone(Key、ex-Symphonic Slam)となります。
但し、前任Tony Carey(Key)の演奏が二曲残されている模様でございます。
現在では傑作と名高いライヴ盤”Rainbow On Stage”制作中にツアーを挟みながら新作の制作に乗り出すものの、メンバー交代を敢行(前作の大傑作”Rising”セールス不振があり演奏面強化なのでしょうが...........)。
(1stの事実上のセールス不振が後々までに響いた感がございます..............そもそもRitchie BlackmoreはDeep Purpleの看板ギタリストでHR化の提唱者。
”Rainbow”はその継承バンドと見做されていた事から、1stの内容はその期待にそぐわないものの感が..........................................)。
「シンプル過ぎる」との理由で故Jimmy Bain解雇。
(後々にもその演奏のシンプルさを揶揄される故Jimmy Bainではございますが、Led Zeppelinの音楽性の核たるアレンジャーの名手John Paul Jones曰くの「自分まで個性を強く出してしまえばバンドの音楽が崩壊するから、
一線を退いて他の個性を繋げていった」というバンドアレンジャー的な感覚という感がございますが...............)。
そして後任にジャズ/フュージョン系名手Mike Clarke(B、ex-Colosseum、Tempest、Uriah Heep、後に再結成Mountain、再結成Colosseum)を迎え制作を続行するものの、リズム感がRitchie Blackmoreの好みに合わず、更なる解雇。
(ジャズ/フュージョン系ですからRitchie Blackmoreが嫌うファンク系に繋がる訳でございますが.................)
後任選考は難航。ベースはRitchie Blackmore自身が担当する事で制作を再開。
そもそも分野外的な感のある才能の持ち主Tony Careyでございますが、Ritchie Blackmore自身が多彩な色彩感を伴う細やかな演奏を求めた事や(音楽性変更に伴う)演奏パートの縮小から対立そして解雇となり、制作は再び中断。
後任がBob Daisley/David Stoneに決まり、Bob Daisleyは”Gates Of Babylon””Kill The King””Sensitive To The Light”、David Stoneは”Gates Of Babylon””Kill The King””The Shed””L.A.Connection”に演奏をオーヴァーダビングし、
完成に至る.....................という経緯がございます。
(Tony Careyの演奏テイクは”Long Live Rock'n'Roll””Lady Of The Lake”の模様)。
起死回生の意味やアメリカ進出を賭けて、若干音楽性を解り易く修正した感のある作品でございます。また音造りも(スタジオが変わった事もあるのでしょうか?)前作よりも洗練され整ったもので音像がくっきりした感がございます。
(かのElton John等の初期名作でも御馴染みChateau D'Herouvilleでの制作でございます。Elton John曰くの「クリエイティブな雰囲気がある」.............お化けも出る模様でございますが...........)
前作の丁々発止的な鋭い演奏・アンサンブルが抑えられ、楽曲の枠を意識した感のある演奏や非常に纏まりのあるアンサンブル。
楽曲も洗練化・整えられた感のあるもので、演奏もそれに準じた感のあるもの(それでもかなり個性強いものではございますが........特にCozy Powellが......)。
前作よりもメロディ重視の感があり、理路整然とした巧みな楽曲が揃います。
但し、キーボードは抑え気味でギター中心の音楽性がミソでございます。
(名手Bob Daisley/David Stoneが数曲のみではございますが)非常に纏まった感のある演奏・アンサンブルでございますが、明らかに名手故Cozy Powellの存在が鍵でございます。
リズムに鋭いキレがあり(←ここ重要)強い躍動感と立体感のあるドラミングが楽曲にスケール感を与えており、そもそも”ワンスタイル”と揶揄されるドラマーでございますが(......ならばJazz/Fusion系名手Omar Hakimはどうなる?)、
(前作程の凄まじさや強烈さはございまぜんが)自身のスタイルを音楽性にはめ込んで楽曲の質を数段引き上げる演奏は見事なものでございます。
Deep Purple時代に比べ演奏スタイルもトーンも変化したRitchie Blackmoreでございますが、若干Deep Purple時代の正確さを意識した感がございます。
盟友Ronnie James Dioのみならず名手Cozy Powellの存在が相当刺激になっていた模様で、(後に強まる)曖昧さが薄いものとなっております。
正確な音程とキャリア一の伸びやかなヴォーカルを聴かせる時代のRonnie James Dioも正に特筆すべきもの。
かのRitchie Blackmoreに”一番上手い”(だったら後に何故解雇する?)と言われた名手Bob Daisleyは(三曲とは言え)フレーズの巧みさが非常に目立つもの。またギターとの棲み分けと個性の自己主張のバランスは抜群でございます。
後にOzzy Osbourne(Randy Rhoads、Jake E.Lee、Zakk Wylde)や名手Gary Mooreが重宝する事が理解出来るものとなっております。
前任同様に異色の存在とも言える名手David Stoneでございますが、(数曲ではございますが)Ritchie Blackmoreが求めた演奏の多彩さ・色彩感や細やかさが理解出来る感がございます................................
但し、オーヴァーダビングゆえにBob Daisley/David Stoneの実力発揮はライヴにて、という事が悔やまれるものでございます................現在では.”Finyl Vinyl”二曲や公式盤二枚組”Live In Munich 1977”で聴かれるものでございますが..............
(某名手系ミュージシャン曰く、リズム隊の差し替え演奏は(暗黙の了解で擦り合わせた)基になるリズムが異なる為にどうしても演奏が噛み合わないとの事でございますが...........................)
これ程の名作を制作しイギリス/ヨーロッパ圏では好評だったものの、残念ながら肝心のアメリカではセールス不振。前作よりも更に下回る事となります。
その後Bob Daisley/David Stoneを(理不尽に)解雇。アメリカでの成功を目論むRitchie Blackmoreは更なる音楽性の変化を求めてRonnie James Dioと対立、Key奏者の後任にCozy Powell関連の名手Don Airey起用とすれ違い様に解雇。
元同僚のRoger Gloverをプロデューサーに迎え、説得し後任に据える事に成功。ヴォーカルにPete Goalby(ex-Trapeze、後に新生Uriah Heep)を迎えるものの、本人に興味なくあっけなく脱退。
混乱に嫌気が差したCozy PowellもかのWhitesnake(David Coverdale)からアプローチを受け脱退を決意するも、名マネージャーBruce Payneに説得され残留、バンド建て直しに尽力致します。
ヴォーカル選考で地獄を見るものの、「Mablesのヴォーカルは何処行った?」で急遽捜索。当時ロバート・スティグウッド(Jack BruceやEric Clapton、かのBee Gees手掛ける)のレコード会社兼マネージメントで働いていた事が判明。
(後に”HR/HM版横山や○し”と日本では笑いになる)運命の”Graham Bonnet”が登場する事となります......................................................................(本人はJames Deanを意識との事でございますが.......菅原○太でしたっけ?)
(後にAlcatrazzでの白のスーツ姿のプロモーション映像を観たファンに「ビッグマグ○ム黒○先生みたいだ」とも揶揄されておりましたが...............................................)
既にCozy Powell、Ronnie James Dioが世を去り、という現実。時の流れを感じさせるものでございます........................................................
現在では入手が困難の模様。この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しく御願い致します。