ホルトンのフレンチホルンマウスピース、ファーカス・モデルの「MC」、シルバープレート（銀メッキ仕上げ）です。
ボディには「HOLTON - Farkas Model MC」という繊細な刻印が入っています。
ホルトンのマウスピースは近年たびたび値上げが続いていて、2023年7月には再度大幅に値上げされました。
現在、定価 14,960円で販売されていますが、今後さらに値上げが続く可能性も十分あります。
ホルトンのファーカス・モデルのマウスピースは1958年に発売後、現在まで6種類のモデルで構成されています。
その中でも「MC」はもっとも標準的なモデルで、非常に人気のあるマウスピースです。
ファーカスモデルは製作時期によって仕上がりの個体差が多めなこともあったようですが、こちらは最近製作されたもので全体にとても精緻に作られています。刻印の入り方も丁寧で、好感が持てます。
シャンクはアメリカン・シャンクで、ホルトンの楽器の他にもヤマハ、コーン、ハンス・ホイヤー、ヴェンツェル・マインルなど、多くのメーカーのホルンに適合する扱いやすいシャンクです。
ファーカス・モデル「MC」の、メーカー発表の仕様は
リム内径 16.81mm
ボア（スロート） 4.62mm
リム厚 ミディアム・ワイド（やや厚め）
カップ ミディアム（中位の深さ）のVカップ
「ファーカス・マウスピースの標準となったモデルです。フルレンジが出やすく、長時間の演奏にも疲れません。」
と解説されています。
リムはラウンド気味で、演奏時に唇のコントロールがしやすく、跳躍を多く含むフレーズなどでも非常に演奏しやすい優れた形状です。
ラウンドリムなので、16.81mmというリム径ほど小さくは感じず、唇に当ててみた感触も非常に良いです。
カップはVカップ形状で、それによってややダークな音色が得られます。
Vカップですがカップ内にわずかな段差が設けてあったり、こだわったデザインがなされているのが分かります。
カップ内は敢えて旋盤の加工跡をヘアライン状に残してあって、カップの中で息の流れや響きが微妙に複雑な乱反射をすることで良い音色を生み出すという話も聞きます。
ボア（スロート）サイズも含めて全体に素晴らしくバランスが取れているマウスピースで、吹きやすさと音色の良さを絶妙に両立しています。
音色は良い意味でダーク気味なスケール感のある響きで、息を多く入れると輝かしいサウンドを奏でることもできます。
高音域も吹きやすく、ソロ、アンサンブルから大編成のオーケストラ、吹奏楽まで、あらゆるジャンルの演奏に対応できる柔軟性も併せ持っています。
全体に素晴らしいコンディションです。ところどころ極わずかな小キズが極わずかに見受けられますが、よく見ないとわからないほどでほとんど気になりません。全体の銀メッキの状態も極上で、美しく光り輝いています。
カップから、スロート、バックボア、シャンク先端にかけて、精緻で美しく仕上げられています。
マウスピースの表面とカップ内からバックボア、シャンク先端まで、綺麗に洗浄して適度に磨いてありますので、汚れなどの心配のまったくない清潔な状態にしてあります。
フィリップ・ファーカス氏（1914〜1992）は、シカゴ交響楽団やクリーヴランド管弦楽団のホルン奏者としてフリッツ・ライナー氏やジョージ・セル氏らから絶大な信頼を寄せられていた伝説的なホルン奏者です。
現在でもCDなどで当時のオーケストラでの驚異的な演奏を聴くことができます。教育者としても素晴らしく、今でも通用する金管楽器奏者のための優れた著書も複数残しています。
楽器とマウスピースの開発にも深く携わり、ホルトン社のフレンチホルンとマウスピースや、ヤマハの1960年代頃からの初期の金管楽器のデザインにも携わりました。
シカゴ交響楽団時代の盟友、レノルド・シルキー氏も彼のためにマウスピースのデザインをし、現在のシルキーの「30」はフィリップ・ファーカス氏の為にデザインしたモデルだと言われています。
ホルトンのファーカス・モデルは発売から65年以上もの間、世界中で愛用され続けているホルンの定番マウスピースです。
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基本的にはポストに投函されるようですが、ポストに入らない場合は配達員の方からの手渡しになるので安心です。
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